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日外会誌. 106(3): 237-240, 2005


特集

術後静脈血栓症・肺動脈血栓塞栓症の予防と治療

4.術後肺動脈血栓塞栓症とその予防(ガイドラインの作成から)

西宮市立中央病院 外科

左近 賢人

I.内容要旨
本邦においても肺動脈血栓塞栓症が増加していることが予想され,予防ガイドラインが作成された.本来ガイドラインはエビデンスに基づき作成されるべきであるが,我が国では発症頻度や予防法に関する十分なエビデンスがない.そこで本邦のガイドラインでは第6回ACCP(American College of Chest Physicians)のガイドラインに準拠してリスクレベルを評価している.また,比較的均質な外科手術患者(一般外科では癌手術)における発症頻度を欧米のそれと比較したところ,第6回ACCPガイドライン上,1~2レベル(発症頻度として1/4から1/2)低かったことから,全体的に1レベル低い予防法が推奨されている.本ガイドラインは我が国の十分なエビデンスに基づいたものでないことから,早急にその妥当性を検討し,必要に応じて改訂していく必要がある.ガイドラインの理論的根拠と問題点について言及した.

キーワード
Deep vein thrombosis, Pulmonary embolism, Venous thromboembolism, General surgery, Guideline

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