[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (52KB) [会員限定]

日外会誌. 106(1): 40-43, 2005


外科学会会員のための企画

外科医の技術料について考える

外科のあるべき診療報酬体系―経済学の視点から―

学習院大学 経済学部
(厚生労働省「診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会」委員) 
(「同運営コスト調査分科会」委員) 

遠藤 久夫

I.内容要旨
診療報酬の約7割を占める医療技術と資本費に対する報酬の決め方に明確なルールが存在しない.その結果,一部に公定価格の歪みが生じ,これが医療供給に好ましくない影響を及ぼしている.厚生労働省は医療保険改革の一環として,医療技術を難易度や時間で評価するという方針を打ち出しているが,これは外保連が従来から行ってきた方式である.外保連試案は,同様の評価方法でドクターズフィーを決定する手法であるアメリカのRBRVSより早く開発されたもので,その先鞭性とともに技術評価の科学的な方法として高く評価できる.しかし,これを実際の診療報酬により強く反映させるためには,「客観性の向上をどのように図るか」,「試算結果は相対評価とすべきか,絶対評価とすべきか」,「他の専門分野との整合性をどうとるか」,「個々の医師の技能の差異を報酬に反映すべきか」という検討課題がある.

キーワード
外保連試案, RBRVS, 技術料


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。