[書誌情報] [全文PDF] (1042KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 105(12): 734-736, 2004


特集

外科医に必要な炎症性肺疾患の知識

2.内科の立場から (Compromised Hostにおける肺感染症)

国立病院機構東埼玉病院 

鈴木 恒雄 , 川城 丈夫

I.内容要旨
呼吸器感染症は内科的疾患であり,抗菌剤で治癒する事ができるが以下の3種類のケースでは外科的治療が必要になってくる.すなわちi)免疫力が低下した患者の肺感染症やii)抗菌剤に耐性を獲得した微生物による肺感染症やiii)抗菌剤など有効な薬が無い微生物による肺感染症の場合である.私に与えられたテーマは免疫力が低下した患者(Compromised Host)の肺感染症であるが,これについて主として述べ,他の筆者ともだぶるがii)iii)についても内科医の立場で述べたい.化学療法の進歩により白血病は治癒する疾患となり骨髄移植が行われる.この際,白血球が減少した時,肺にアスペルギルスの感染を受ける事があり,アスペルギルスは抗菌剤に抵抗性であり病巣部位を外科的に切除する事がある.またアスペルギルスは空洞を残して治った肺結核後遺症に合併ししばしば大喀血を起こすため外科的切徐がなされる事がある.種々の基礎疾患で免疫力が低下した患者に耐性菌結核の感染を受けた時,非結核性抗酸菌感染を受け,限局している時に外科的切除が行われる事がある.

キーワード
肺切除, 免疫不全, 肺アスペルギルス


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。