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日外会誌. 105(10): 664-668, 2004


特集

肝切除・部分肝移植後の肝再生と肝不全-基礎と臨床-

5.肝切除後肝不全の病態と対策-黄疸肝

名古屋大学大学院 器官調節外科学

新井 利幸 , 梛野 正人 , 二村 雄次

I.内容要旨
閉塞性黄疸を伴うことの多い胆道癌に対する広範囲肝切除では,術後に,感染性合併症や高ビリルビン血症が発症しやすく,それらがお互いに影響しあって肝不全が形成される.感染性合併症は,閉塞性黄疸による胆道感染,消化管のintegrityの減弱,感染免疫能の低下などによって,また,高ビリルビン血症は,胆汁鬱滞に起因する肝細胞ミトコンドリア機能障害や胆汁成分の輸送蛋白の発現障害などによって発症すると考えられる.肝不全は一旦発症すると治療が困難であるので,閉塞性黄疸によって障害された肝,消化管,免疫などの予備能を十分回復させる術前処置を行うとともに感染症対策を講じることが重要である.

キーワード
肝不全, 胆道癌, 閉塞性黄疸, 高ビリルビン血症, 感染性合併症

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