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日外会誌. 105(9): 476-479, 2004


特集

癌治療における最近のトピックス

2.肺癌
-術前・術後の化学療法-

福岡大学 第2外科

白日 高歩

I.内容要旨
肺癌は他臓器癌に比し早期からリンパ血行性転移を起こし易く,手術のみでの完全制禦が非常に困難である.従って補助療法としての化学療法の重要性が広く認識されてきた.
肺癌の術前,術後化学療法についてはこれ迄局所進行癌(stageⅢ)を中心に世界的に検討されてきた.殊にN2肺癌に対しては第Ⅱ,第Ⅲ相試験の臨床成績が相次ぎ,術前導入治療の有意義性が認められつつある.またより比較的早期のstageⅠB~Ⅱ期に対しても導入療法の治験が始まっており,欧米からの報告でも肯定的なデーターが散見されている.術前の放射線化学療法併用効果についてはその有意義性が認められているが,侵襲度との兼ね合いもあり,適応が準備されつつ今後標準化されてゆくであろう.術後化学療法の有効性についてのエビデンスは少ないが,我が国で実施されたUFT長期使用の臨床成績は非常に優れた結果で,今後標準化されてゆく可能性がある.

キーワード
非小細胞性肺癌, 術前後化学療法, 放射線化学療法, ⅢA期肺癌

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