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日外会誌. 105(8): 440-444, 2004


特集

外科領域における再生医療の現況と展望

4.肝臓再生医療

岡山大学大学院 医歯学総合研究科消化器・腫瘍外科

小林 直哉 , 陳 勇 , 田中 紀章

I.内容要旨
移植医療における提供臓器の大幅な不足は先進的な欧米でも深刻な問題で当該医療の限界となっている.この壁を乗り越えるため増殖を基盤とした幹細胞などの利用や遺伝子操作を含めた再生医療が21世紀の医療を進める上で重要な地位を占めるようになってきた.肝臓を標的とした再生医療を展開するために,細胞のソースとして胚性及び体性幹細胞,肝幹細胞,骨髄細胞,小形肝細胞,ブタ肝細胞,そしてヒト肝細胞株などが研究されている.本稿では,肝再生医療を実用化するための細胞ソースと我々が提唱している最終分化したヒト肝臓細胞でのreversible immortalization(可逆性不死化)を使用した安全性の高いヒト肝臓細胞株について最近の知見をふまえて概説した.

キーワード
幹細胞, 不死化肝臓細胞, Cre/loxP 組換え反応, reversible immortalization, therapeutic liver repopulation


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