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日外会誌. 105(7): 392-403, 2004


特集

ガイドラインからみた肺癌外科の構築

3.Ⅰ,Ⅱ期肺癌の治療ガイドライン

慶應義塾大学 医学部外科

小林 紘一

I.内容要旨
非小細胞肺癌Ⅰ期,Ⅱ期に対する治療は低肺機能や他の重篤な合併症がなければ外科療法が勧められる.外科療法の基本は標準術式としての肺葉切除(病変の存在部位により二葉切除または全摘術)とリンパ節郭清である.診断技術の進歩により小型の肺癌が発見される機会が増え,肺容量を温存する縮小手術(区域切除や拡大区域切除)も行われるようになっている.内視鏡の進歩により胸腔鏡下の手術も行われるようになっている.機能温存の意味からは全摘術をなるべく回避し,気管支形成術を行う.
術後の生存率を向上させるために術前術後の補助療法が行われている.最近Uracil-Tegafur(UFT)の長期内服による生存率の向上を示すデータが本邦から報告された.Ⅰ,Ⅱ期で内科的な理由により手術の行えない症例に対しては根治的放射線治療を行うことが勧められる.

キーワード
非小細胞肺癌, ガイドライン, Ⅰ期, Ⅱ期, 外科療法, 術前, 術後療法


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