[書誌情報] [全文PDF] (1425KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 105(5): 342-345, 2004


特集

外科医のアイデンティティーをより高める

7.今,日本外科学会は何をなすべきか?

東京大学名誉教授 
南千住病院名誉院長 

出月 康夫

I.内容要旨
最近10年間のわが国の社会,医療制度,医師と患者の関係などの変化は大きく,また急激である.医学と周辺技術の進歩は外科医療を大きく変貌させつつあり,分子生物学の発展は外科学のサイエンスにも大きなインパクトを与えている.医療現場では,外科は長時間労働,労働環境の悪化,外科医療の非採算性が目立つようになり,医科大学卒業生の外科志望者は激減しており,この状態が続くと将来わが国の外科医療は大きく後退せざるを得ないことが懸念される.
外科医療の後退を防止し,さらなる発展を目指すためには,外科の卒前・卒後教育,生涯教育,外科医療の質的評価,経済効率の追求など種々の局面で抜本的な改革が必要であるが,わが国の外科学,外科医療の根幹をなす日本外科学会はこれらの改革に積極的に取り組み,その中心となって指導性を発揮すべきである.そのためには学会活動の一層の活性化が必要であり,評議員会,理事会が果すべき役割りと責任はきわめて大きい.

キーワード
日本外科学会, 医療制度改革, 外科医療, 専門医制度


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。