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日外会誌. 105(3): 247-251, 2004


特集

外科学への新たなる挑戦-適塾に学び未来へ羽ばたく-

3.外科における医学倫理

北海道大学大学院 医学研究科癌診断治療学講座腫瘍外科

加藤 紘之

I.内容要旨
医の倫理については生命を託された医師のモラルとしてその時代ごとに諭され続けてきた.今日,医学はさらに進歩を続けており診療にあたる医師は最新の知識と技能レベルを習得する義務がある.中でも外科医は手術を基盤として日常診療を行うことから,生命倫理に対する厳しい自己管理を行い,客観的評価を受ける必要がある.
本稿ではインフォームドコンセント,推定余命説明の義務,遺伝子診断・治療における倫理,症例報告のプライバシー保護,医療事故の届出義務などにつき,私見を混じえつつ概説した.
我が国と欧米では宗教観,家族関係が異なっており,そこから生ずる倫理感に若干の相違がある.しかし患者を最大限尊重して確固たる職業倫理を持つことが社会から要求され,望まれていることに差はない.最近,日本医師会から医師の職業倫理規定(案)が提示され,関係各方面からの意見を求めている.これを骨子とした倫理感が我が国で定着して行くものと考えられることから,一部を紹介し参考に供したい.

キーワード
医学論理, 医師の職業論理規定, インフォームドコンセント


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