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日外会誌. 104(11): 789-792, 2003


特集

Sentinel node navigation surgeryの現状と展開

5.各臓器癌におけるSNNSの現状とその成績
f.結腸癌

癌研究会附属病院 消化器外科

畦倉 薫 , 上野 雅資 , 大矢 雅敏 , 山口 俊晴 , 武藤 徹一郎

I.内容要旨
結腸およびその腸間膜は腹腔内で平面的に広がって存在し,sentinel navigation surgery(SNNS)適した臓器である.一方リンパ流は主幹血管の根部に集中する一転集中型を示して系統的リンパ節郭清術にも適した臓器でもある.また殆どのsentinel node(SN)はD2のリンパ節郭清郭清範囲内に分布し,敢えてlymphatic mapping(LM)を行わなくてもSNはD2郭清によりlymphtic basinの形で切除されてしまう.最近SNNSの一番の適応であるSM(またはsm)癌やMP(またはmp)癌は腹腔鏡補助下手術で切除されることが多くなり,腹腔鏡手術操作の直前にtracer注入目的の大腸内視鏡で腸管をガスで充満させることはその後の腹腔鏡手術を大変困難にする.またSNの微小転移と結腸癌の再発,予後に関連するかどうかのevidenceは未だ得られていない.以上の諸点を考えると本邦で結腸癌手術の際SNNSが広く施行されていく可能性は低いと考えられる.将来SNの微小転移が予後,再発と明らかに相関することが判明した場合はD2(またはD3)郭清により切除した結腸癌標本を用いてex vivo法のLMを施行しSNの同定,微小転移の診断を行った方がより実際的と考えられる.

キーワード
大腸癌, 結腸癌, センチネルリンパ節, リンパ節転移, リンパ節郭清


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