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日外会誌. 104(11): 773-777, 2003


特集

Sentinel node navigation surgeryの現状と展開

5.各臓器癌におけるSNNSの現状とその成績
b.乳癌

国立がんセンター東病院 乳腺科

井本 滋 , 和田 徳昭

I.内容要旨
乳癌におけるセンチネルリンパ節生検は,その仮説を証明するためのfeasibility studyがすでに終了した.現在,センチネルリンパ節生検と腋窩リンパ節郭清とを比較する大規模な臨床試験が欧米で進行中である.日本では施設毎にfeasibility studyが行われ,欧米からの報告とほぼ同等の成績が得られた.センチネルリンパ節生検結果に基づいて腋窩リンパ節の郭清・非郭清を行うobservational studyも始まっている.一方,センチネルリンパ節生検を普及させるには,費用に関する研究者自己負担,手術室でのアイソトープの取り扱いや医療被曝など課題も多い.日本で大規模な臨床試験を行うことは不可能である.しかし,observational studyや多施設共同でセンチネルリンパ節生検をデータベース化して前向きに症例を集積することは,日本におけるセンチネルリンパ節生検の安全性や妥当性を検証する上で重要と考える.

キーワード
乳癌, センチネルリンパ節生検, 腋窩リンパ節郭清


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