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日外会誌. 104(11): 770-772, 2003


特集

Sentinel node navigation surgeryの現状と展開

5.各臓器癌におけるSNNSの現状とその成績
a.甲状腺癌

1) 帝京大学 外科
2) 慶應義塾大学 病理

高見 博1) , 池田 佳史1) , 亀山 香織2)

I.内容要旨
臨床的にリンパ節転移が検出されない甲状腺癌患者に予防的頸部郭清術を行うのには議論がある.甲状腺癌ではリンパ節転移が予後,再発に影響しているという確証がないからである.Sentinel node biopsy(SNBx)は色素,99mTcで検出され,甲状腺癌での有用性が明らかになりつつある.著者らはIsosulfan blue dyeを68例の甲状腺乳頭癌患者の腫瘍周囲に注射した.Sentinel node biopsy(SNBx)を甲状腺亜全摘術後に保存的リンパ節郭清時に行った.Sentinel node(SN)は68症例中63例(92.6%)に検出された.SNと病理診断で転移陽性の一致率は92.1%であった.SNBxの感度は87.5%,特異性は100%,正診率92.1%であった.SNBxはリンパ節転移true negativeの乳頭癌患者と非触知転移リンパ節陽性患者を鑑別でき,不必要なリンパ節転移を避けることができると考えられる

キーワード
甲状腺がん, センチネルリンパ節, リンパ節郭清

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