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日外会誌. 104(11): 765-769, 2003


特集

Sentinel node navigation surgeryの現状と展開

4.センチネルリンパ節の微小転移の診断法

大阪大学大学院 腫瘍外科

玉木 康博 , 野口 眞三郎

I.内容要旨
センチネルリンパ節の微小転移検索は,一般的にはmulti-sliceあるいはmulti-levelでの多数切片においてHE染色単独または免疫染色を併用しての病理学的検索が主体である.しかし,どの程度の枚数をどのぐらいの間隔で切り出せば,臨床上十分な検出率になるかというコンセンサスはまだ確立されていない.さらに高感度なRT-PCR法を用いた検出方法も,用いるプローブやPCRの条件などまだ検討すべき点は多い.また,single cellなどisolated tumor cellと呼ばれるものは,乳癌のTNM規約上は微小転移ではなく原則としてpN0の範疇に分類されており,その臨床的意義は今後の検討を待たねばならない.微小転移をどのような方法で検出するか,またその方法によって検出されたセンチネルリンパ節微小転移がどの程度予後に影響するか,また,検出された場合に残りの所属リンパ節を郭清すべきかどうかについて,今後多くの症例を用いた臨床研究を行っていく必要がある.

キーワード
センチネル, 微小転移, 免疫染色, サイトケラチン, RT-PCR

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