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日外会誌. 104(11): 759-761, 2003


特集

Sentinel node navigation surgeryの現状と展開

3.各種tracerの特性
c.磁性体

秋田大学 医学部外科学講座呼吸器外科学分野

南谷 佳弘 , 小川 純一

I.内容要旨
現在センチネルリンパ節同定法には色素法とアイソトープ法が用いられているが,広く一般施設に普及するには問題点がある.色素法はセンチネルリンパ節の同定率が低い.一方アイソトープ法はセンチネルリンパ節の同定率は高いが,放射性同位元素の取り扱いが煩雑で,その使用は放射線管理区域内に限られている.以上の点を解決するため,磁気を用いる磁性体法を開発した.センチネルリンパ節同定用のトレーサーとしてすでにMRI用肝臓造影剤として安全性が確立している磁性体,ferumoxidesを用いた.センチネルリンパ節同定を手術室で使用可能な携帯型高感度磁気センサーを開発して行った.肺癌,乳癌,食道癌の患者に対して磁性体法によりセンチネルリンパ節同定を試みた.磁性体法はRI法と比較してセンチネルリンパ節同定率で遜色なかった.しかし現在は滅菌と磁気センサーの検出感度の問題があり,郭清後の磁気測定である.臨床応用するには術中使用が可能な磁気センサーが必要であり,現在開発中である.一般施設で磁性体法が臨床応用可能になれば,センチネルノードコンセプト自体の普及が促進されると思われる.

キーワード
センチネルリンパ節, 磁性体, ferumoxides, リンパ節郭清, 磁性体法


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