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日外会誌. 104(10): 735-739, 2003


会員のための企画

外科診療と届出義務-医療事故もしくは疑われた場合の届出義務とは-
東京都健康局の立場から

東京都健康局 医療安全課

西塚 至 , 井元 浩平

I.内容要旨
診療行為に関連した患者死亡・傷害等の報告について,都道府県等の行政機関への届出について法令による規定がない中で,類似事故の防止または医療の透明性確保の観点から,医療機関は事故発生時に速やかに行政機関へ報告すべきとする考え方が一般化している.現在のところ事故の報告については各医療機関及び医療機関を所管する一部の自治体が独自の基準を作成し対応しているのが実情である.
厚生労働省医療安全対策検討会議は,平成15年4月に「医療に係る事故事例情報の取り扱いに関する検討部会」報告書において事故発生予防・再発防止のためには中立な第三者機関の設立による幅広い情報の収集と行政機関との連携が必要であるとの提言をしたところである.
平成15年4月,東京都健康局は自治体として初めて第三者機関として「東京都医療安全推進事業評価委員会(以下,評価委員会)」を社団法人東京都医師会に設置してヒヤリ・ハットを含む医療事故等の情報を収集し分析している.病院を所管する健康局医療安全課,中立である評価委員会および患者・家族からの相談を受け付ける東京都「患者の声相談窓口」の3者の連携を強化させることによって,医療事故等の情報を包括的に収集し分析・活用することにより医療安全対策を推進させる事業を開始した.
都の取り組みについて紹介するとともに,各医療機関において事故等の報告をいかに行うべきか述べていきたいと思う.

キーワード
医療事故, 行政機関, 第三者機関

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