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日外会誌. 104(10): 730-734, 2003


特集

原発巣からみた転移性肝癌に対する治療方針

8.大腸癌 化学療法・免疫療法

金沢大学医学部附属病院 外科

大村 健二

I.内容要旨
わが国で転移性大腸癌に対し有効性が広く認められているレジメンには,レボフォリン酸カルシウム(アイソボリン,Iso)/5-fluorouracil(5-FU),塩酸イリノテカン(トポテシン,CPT-11),低量反復シスプラチン(CDDP)/5-FUがある.欧米では, LV/5-FUにCPT-11やオキザリプラチン(Oxa)を併用したレジメンを含む臨牀第Ⅲ相試験がさかんに行なわれている.しかし,Oxaの使用が認可されていないわが国では,症例のPSを勘案して,これら三つのレジメンを中心としてsequentialに使用することが望ましい.転移性大腸癌については,非特異的免疫療法の効果を示す報告はない.一方,VEGFやEGFRに対するモノクローナル抗体は,単独もしくは化学療法との併用で明らかな臨床効果を示すことが明らかにされた.今後は,わが国における転移性大腸癌に対する最適な化学療法を示す根拠となるエビデンスの蓄積と,有効な分子標的薬剤の早期認可が望まれる.

キーワード
大腸癌, 肝転移, 化学療法, 免疫療法

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