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日外会誌. 104(9): 593-596, 2003


特集

食道良性疾患の外科治療

4.食道粘膜下腫瘍(食道平滑筋腫・食道血管腫)

順天堂大学 医学部食道・胃外科

梶山 美明 , 鶴丸 昌彦 , 岩沼 佳見 , 富田 夏実 , 天野 高行 , 内田 陽介 , 工藤 圭三 , 安藤 隆夫

I.内容要旨
食道粘膜下腫瘍のうち平滑筋腫は日常診療で最も遭遇す頻度の高い粘膜下腫瘍である.腫瘍局在の主体が筋層にあり,治療は壁外からの核出術が行われる.らせん状に発育することが特徴であり核出の際には粘膜損傷に注意しなければならない.大型の平滑筋腫では開胸手術を余儀なくされる場合もあるが,通常は胸腔鏡下手術(VATS)の良い適応である.一方,食道血管腫は粘膜から粘膜下層に局在し,食道内腔に突出する形態を示しEMRの良い適応である.
食道粘膜下腫瘍の治療に当たっては十分なインフォームド・コンセントが必要である.平滑筋腫の治療では良性の平滑筋腫なのか悪性の平滑筋肉腫なのか,またはそのどちらとも診断のつきかねる状況であるかの率直な説明が必要であり,血管腫では切除が出血に対する予防的な治療であることの説明が必要である.その上で手術を受けるか否かの最終的な判断を患者さん自身が選択しなければならない.

キーワード
食道平滑筋腫, 食道血管腫, 核出術, VATS, EMR

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