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日外会誌. 104(8): 540-543, 2003


特集

外科領域におけるステント療法

2.気管・気管支

慶應義塾大学 医学部外科

澤藤 誠 , 小林 紘一

I.内容要旨
中枢気道の狭窄は,呼吸困難,咳嗽などの原因となり患者のquality of life(QOL)を著しく低下させる.外科治療や放射線治療などの根治的治療が困難な場合,症状軽減のため気道ステントの留置は有用な治療手段の一つとなる.最近では進行癌による気管食道瘻形成例に対して瘻孔からの気道内吸引を減じる目的でのステント留置も行われる.現在使用されているステントは,素材からシリコンステントと金属ステントに分けられる.これらは異なる機能的特性を有しており,挿入法もそれぞれ異なっているため,患者の疾患や全身状態,狭窄病変の状態により適切なステントの選択をする必要がある.したがって気道ステント療法を安全かつ効果的に行うには,各種ステントの挿入手技と特徴について熟知しておく必要がある.

キーワード
気管, 気管支, 狭窄, 気管食道瘻, ステント

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