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日外会誌. 104(6): 471-475, 2003
特集
膵囊胞性疾患の新展開-IPMTを中心に-
7.膵頭部区域切除
I.内容要旨膵の区域は,膵頭部を発生学的根拠に従って背側膵由来の前区域と腹側膵由来の後区域に分け,膵頚部と膵体部を中央区域medial segmentとし,尾部を尾側区域distal segmentとするものが有用である.前区域は膵頭部の前方部分をしめ,Santorini管のドレナージ領域であり,87.5%の症例が後区域の前面を覆っている.後区域は膵頭部の後方部分を占め,Wirsung管のドレナージ領域である.前区域と後区域の間にfusion planeがみられ,解剖例では比較的容易に剥離可能と報告されているが,臨床例で全例剥離可能かはこれからの課題である.臨床例では後区域単独切除が報告されているが,前区域は後区域温存膵頭体部切除や背側膵由来膵切除として報告されているのみである.主膵管合流型が通常型の場合は区域切除が可能だが,ANSA型やループ型でも可能かも今後の検討課題である.膵区域の定着にさらに重要なことは,臨床で前区域と後区域のfusionplaneを如何に安定して見いだすかという問題と,各区域や胆管,十二指腸の血流支配の研究である.
キーワード
膵縮小手術, 膵区域, 腹側膵, 背側膵
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