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日外会誌. 104(5): 422-426, 2003


特集

癌外科治療の標準化に向けての展望

9.大腸癌

愛知県がんセンター 消化器外科部

加藤 知行 , 平井 孝 , 金光 幸秀

I.内容要旨
結腸・直腸癌の外科治療方針を考察した.
粘膜内(M’)癌に対しては内視鏡的ポリープ切除あるいは局所切除で十分である.粘膜下浸潤(SM’)癌はD2郭清が基本である.
結腸進行癌では,腫瘍を挟む血管2本を切除して中枢側血管の根部郭清を行い,腫瘍辺縁から10cm以上の腸管を切除する.no-touch isolationは文献上予後に関係しないとされるが,手術操作が癌細胞を血流中に散布するというevidenceがある.腹腔鏡補助下結腸切除は未だ研究的段階であり,その臨床応用はリンパ節転移のないDukes Aまでとする.
直腸癌では,肛門側は4~6cmの直腸間膜内リンパ節郭清と3cmの腸管切除を行い,下腸間膜動脈は根部で切離する.側方郭清の適応は,下部直腸癌で壁深達度がmpあるいはa1以深とし,両側の系統郭清を行う.
進行・再発癌に対しては可及的にcur Bあるいは治癒的切除を目指す.

キーワード
大腸癌, 標準手術, 早期癌, 進行癌, 進行・再発癌

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