[書誌情報] [全文PDF] (2536KB) [会員限定・要二段階認証][検索結果へ戻る]

日外会誌. 103(12): 873-876, 2002


特集

術後感染症対策の最近の進歩と問題点

7.肝硬変患者における術後感染症

浜松医科大学 第2外科

鈴木 昌八 , 稲葉 圭介 , 中村 達

I.内容要旨
肝硬変症の予後はその診断と治療の進歩により向上しており,フォローアップ中に肝細胞癌ばかりでなく,他の消化器癌が発見される機会が増加している.肝硬変患者は肝細胞機能低下,門脈圧亢進症に加え,網内系機能の低下がみられる.このような宿主防御能の低下した状態にある肝硬変患者の消化器癌の手術では,感染性合併症が起こりやすく,一旦重篤な感染症を惹起すると容易に致死的な肝不全へと進展する危険性がある.
肝硬変患者の手術適応と術式決定には癌進展度と肝予備能を十分に評価した上で,根治度を考慮した必要最小限の術式を選択し,敗血症や肝不全などの致死的合併症を回避するよう綿密な周術期管理を行う必要がある.

キーワード
肝硬変, 宿主防御能, エンドトキシン, バクテリアルトランスローケーション, クッパー細胞

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。