[
書誌情報]
[
全文PDF] (2509KB)
[会員限定・要二段階認証]
日外会誌. 103(9): 607-610, 2002
特集
難治性心不全に対する外科的アプロ一チ-最近の進歩-
9.磁気浮上型人工心臓
I.内容要旨現在臨床応用されている拍動流補助補助人工心臓は症例の増加と埋込み期間の長期化に伴い,血栓塞栓症,感染,機械的信頼性等の問題点が明らかになって来た.また,体表面積2m
2,体重80kg程度の患者を前提に設計されており,小柄な患者への適応が困難である.近年拍動流ポンプの問題点を克服するポンプとして連続流ポンプの埋込み型人工心臓への応用研究が活発化している.これら連続流ポンプの利点は,1.小型,2.構造がシンプル,3.人工弁が不要,4.抗血栓性が期待できる,5.機械的信頼性が高い,等である.一般に従来の拍動流ポンプを第一世代とすると,現在臨床治験段階にある,接触軸受けを用いた軸流ポンプ群が第2世代,磁気軸受け,もしくは動圧軸受けを用いた遠心および軸流ポンプ群が第3世代と位置付けられている.第2世代の接触軸受けを持つ軸流ポンプは現在臨床治験中であるが,現在までの報告では小型であることのメリットは充分満たしているが,耐久性,抗血栓性に関してはさらに症例数の積み重ねと長期成績を待つ必要がある.第3世代の磁気浮上ポンプは接触軸受けが無いため,さらに長期の耐久性,抗血栓性が期待されている.本稿ではこれら第2,第3世代LVASの概要を述べるとともに,第3世代磁気浮上型左心補助人工心臓の一例としてテルモ(株)のDuraHeartを紹介する.
キーワード
連続流ポンプ, 軸流ポンプ, 遠心ポンプ, 磁気浮上型遠心ポンプ
PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。