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日外会誌. 103(8): 553-556, 2002


特集

進行胆囊癌外科治療の現況

5.胆囊癌に対する拡大リンパ節郭清の意義

富山医科薬科大学 第2外科

塚田 一博 , 阿部 秀樹 , 坂東 正 , 長田 拓哉

I.内容要旨
進行胆嚢癌では拡大リンパ節郭清が他の消化器癌と同様に積極的に施行されてきたがその意義を明確にした論文は残念ながらこれまで示されていない.とはいえ,進行胆嚢癌はリンパ節転移が高頻度に認められ,予後改善には拡大したリンパ節郭清が必要であると考えられる.一方で局所における主腫瘍の切除とリンパ節切除のバランスが重要であり,かつ安全な手術術式の採用が望まれる.これらの点から判断すると,進行胆嚢癌では大動静脈間リンパ節に明らかな転移がある場合を除き,肝十二指腸間膜内リンパ節と膵頭周囲リンパ節の郭清は予後改善に意義のあるものと考えられる.しかし一方で,上腸間膜動脈周囲リンパ節などの予防的郭清での膵頭十二指腸切除術の意義は少ないものと考えられる.

キーワード
胆囊癌, リンパ節転移, 根治手術, 拡大郭清

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