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日外会誌. 103(8): 549-552, 2002


特集

進行胆囊癌外科治療の現況

4.胆囊癌に対する拡大肝右葉切除-適応と手術の要点

北海道大学大学院 医学研究科腫瘍外科学

近藤 哲 , 加藤 紘之

I.内容要旨
肝門浸潤型,肝床肝門浸潤型では胆嚢頸部から癌が肝門部,肝右葉グリソン内に連続性に浸潤するため拡大肝右葉尾状葉切除,胆管切除,D2+16リンパ節郭清が必要となる.従来は術後在院死亡率約20%と危険な手術で,遠隔成績も不良と考えられてきた.しかし,減黄術管理の向上,門脈右枝塞栓術の導入などにより比較的安全に施行可能となり,肝・腹膜・大動脈周囲リンパ節転移がなければ長期生存例もみられるようになった.
胆嚢癌では肝門部胆管癌よりも肝門浸潤ははるかに高度で門脈合併切除端々吻合はほぼ必須と考えてよい.自験例でも最近2年間の6例全例に併施しているが全例耐術している.

キーワード
胆囊癌, 拡大肝右葉切除, 尾状葉切除, リンパ節郭清, 門脈切除


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