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日外会誌. 103(7): 524-528, 2002


特集

Damage Control Surgery

8.Damage Control Surgeryの周術期管理

県立広島病院 救命救急センター

石原 晋

I.内容要旨
Damage control surgeryという戦略の選択を余儀なくされるほどの重度腹部外傷においては,手術手技の的確さだけでは救命に繋がらない.重症外傷の病態の理解に基づく積極的な全身管理が併せて行われなければならないのである.一般的な呼吸循環管理が重要であることはもちろんであるが,ここでは特に「体温管理」「大動脈遮断」を中心に記述した.出血性ショックを伴う重症外傷では体温低下が致命的事態を招来する.34度C以下への低下が極めて危険であるとされ,初療段階から積極的体温保持戦略が求められる.
また,緊急開腹止血術の実施にあたっては,心停止を予防するため開腹に先行して胸部大動脈の血流を遮断する必要があるが,この手技を成功させるための要点を解説した.

キーワード
deadly triad, 体温保持戦略, 大動脈遮断カテーテル

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