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日外会誌. 103(4): 381-385, 2002


症例報告

豪州における肝細胞癌に対する肝移植の臨床経験

長崎大学 医学部第一外科

七島 篤志

I.内容要旨
近年肝癌に対する肝移植の成績が欧米において向上し,本邦でも生体肝移植による治療が始まっている.1999年10月から1年間,豪州の肝移植施設に臨床留学し経験した肝癌症例について検討した.肝移植をうけた11例は全例ウイルス性肝炎による肝硬変であった.5例が肝癌の治療目的で,6例が末期肝不全として移植が選択された.術後病理所見で3例に新たな肝癌が,5例に主要脈管や周囲浸潤が認められた.1例が在院死し,C型肝炎2例で術後早期に肝炎再発を見た.1年以内に2例に癌再発を認めそのうち1例は術後高度進行癌であった.C型肝硬変合併肝癌や術後に予後不良因子が認められた場合に肝炎や癌再発の問題点があった.

キーワード
肝細胞癌, 肝移植, 豪州

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