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日外会誌. 103(4): 331-336, 2002


特集

食道癌診療の現況と展望

2.食道癌の診断
2)CTとMRI

1) 虎の門病院 放射線診断科
2) 虎の門病院 消化器科
3) 虎の門病院 消化器外科

奥田 逸子1) , 小久保 宇1) , 星原 芳雄2) , 宇田川 晴司3)

I.内容要旨
食道癌の進行度診断は,治療方針の決定や予後の判定の大きな指標になる.食道癌の周囲臓器への浸潤,リンパ節転移のCTおよびMRI診断について述べた.
癌による周囲臓器浸潤の診断は,気管・気管支浸潤は変形や偏位で,大動脈浸潤は癌の接触角90°以上で行っている.また,CTでは食道と大動脈の間に介在する脂肪織に着目して行った画像解析ソフトを用いた診断支援の試み,MRIでは癌と大動脈との動的な情報を得るためのcine-MRIについても言及した.
リンパ節転移を診断する場合,長径10mm以上を転移陽性と診断することが多い.しかし,大きさのみを診断基準に用いると診断精度が低い.ダイナミックCTによる造影パターンを診断に加えると診断能が向上する.しかし,画像で捉え難い小さな転移リンパ節が多数存在するため,リンパ節転移陰性と診断することは困難であった.
画像診断は,それぞれのmodalityが有する利点や限界を熟知し,より客観的な情報を提供することが大切である.

キーワード
食道癌, CT, MRI, リンパ節転移, 周囲臓器浸潤

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