[書誌情報] [全文PDF] (2330KB) [会員限定・要二段階認証][検索結果へ戻る]

日外会誌. 103(2): 258-262, 2002


特集

肺癌非手術療法の新しい試み

10.PDTの現況と適応拡大

東京医科大学 外科学第一講座

奥仲 哲弥 , 加藤 治文

I.内容要旨
PDTは早期中心型肺癌(Tis)に対する標準的な治療として米国NCIのホームページに紹介されている.当科でPDTを施行した早期肺癌症例は145例(191病巣)で,CRが165病巣86.4%に得られた.5年生存率は57.6%(92.5%:現病死のみ)であり,早期中心型肺癌に対するPDTの有効性が確認されている.今後QOLを考慮すべき症例の増加が予測され,以下の様な症例に対しPDTの適応拡大が望まれる.1)閉塞を認める進行気管支癌に対する姑息的治療:開口を目的とした気管支閉塞に対するPDTはYAGレーザーと同等の有効率(75%)を獲得した.YAGレーザーとの併用療法を行い,腫瘍再発までの期間が延長した報告もある.2)小型末梢型肺癌の根治的治療:手術不能な末梢小型肺癌に対しレーザーファイバーをCTガイド下に挿入し照射する試みである.8例の進行癌に行い,安全性が確認された.うち3例にPRを認めた. PDTは早期中心型肺癌に対する第一選択肢であるともに,QOL維持を目的とした症例に対する肺癌非手術療法の一選択肢になりうると考えた.

キーワード
光線力学的療法, 早期肺癌, 低出力レーザー, QOL

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。