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日外会誌. 102(8): 573-577, 2001


特集

複雑先天性心疾患外科治療の最近の進歩

3.ファロ一四徴症および肺動脈閉鎖症の外科治療の進歩

慶應義塾大学 医学部外科

加藤木 利行

I.内容要旨
純型肺動脈閉鎖症については最後に少し触れることとして,ファロー四徴症および肺動脈閉鎖をともなうファロー四徴症(もしくは心室中隔欠損をともなう肺動脈閉鎖症)を中心に最近の傾向を述べたい.Primary repair(いわゆる根治手術)に関しては,肺動脈閉鎖を伴う症例も含めて姑息手術をできるだけ排して一期的に早期に行う傾向が顕著になっている.一歳未満はもちろんで,3カ月未満さらには新生児期手術を推奨する論文も見られる.MAPCA合併例の一期的根治術もさらに成績が良くなりつつある.一方で遠隔期成績では,20年以上の成績が明らかになるにつれ,不整脈と突然死が今まで考えられていたよりも多いことがわかってきた.右室の経年的拡大と機能低下が関与している問題であり,さらにその原因として,肺動脈弁閉鎖不全の存在が無視できないものとして取り上げられている.肺動脈弁閉鎖不全もなく肺動脈狭窄もない理想の根治手術を求めて,右室肺動脈間の再建に対処する二つの方向性が模索されている.ひとつは,自己肺動脈弁の温存の限界を求めようとするもので,もうひとつは理想のConduitを得ようとするものである.

キーワード
ファロー四徴症, 肺動脈閉鎖症, 心外導管, early primary repair


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