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日外会誌. 102(7): 554-558, 2001


総説

診療に関連した「異状死」について

慶應義塾大学 医学部外科
TMI総合法律事務所 

古川 俊治

I.内容要旨
診療行為と関連して患者死亡が発生した場合の医師法第21条による「異状死」の警察署への届出義務について,日本外科学会は声明を発表した.その意義は,①明らかな過失による医療事故での患者死亡の届出義務を肯定し,便法ではあるが,医療過誤による死亡例だけは報告され速やかな救済が図られるようにした,②手術合併症に伴う患者死亡の届出義務を否定し,外科医の萎縮を防ぎ,また,手術合併症に関する過失の有無の判断には公正な審理を要請した,③中立的機関の創設と新しい一元化された制度を提唱し,明らかな過失による医療過誤での死亡や障害を義務的報告とし,かつニアミスや小事故の報告を集積することを図った,ことにあると考えられる.今後,詳細な基準の作成作業に入る予定であるが,新制度の成立までを視野に入れ,そこでの義務的報告事例のガイドラインとしての適用も考慮して進められるべきであろう.

キーワード
異状死, 医師法第21条, 医療過誤, 日本外科学会

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