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日外会誌. 102(4): 320-324, 2001


特集

弁膜症手術の最近の動向

5.大動脈弁置換術の長期成績

長﨑大学 医学部心臓血管外科

江石 清行

I.内容要旨
各種代用弁,手術術式は個々の患者に応じさらに多様化し,その選択は重要な問題となってきた.
金属弁では狭小弁口に対する,弁口を大きくした弁が臨床使用されてきている.少なくとも1サイズ大きい弁口が確保できるので大きく弁輪拡大を必要とする症例は先天性のものを除くと極めて少なくなった.
第二世代生体弁が登場して15年以上が過ぎた.低圧固定処理となり耐久性の向上に貢献しているように思える.裂隙(tear)の発生が減少し,僧帽弁位と大動脈弁位での差異がより明白となった.大動脈弁位では若年者を除くと10年で90%以上の耐久性が保証されたように思う.高齢者と若年者での耐久性の差異も明白となった.
Stentless大動脈弁位生体弁は最近の人工弁の進歩のなかで最も重要なものの一つである.stentless生体弁では弁輪径がほぼそのままが有効弁口径であり血行動態状極めて有利で.早期の血行動態は明らかに有利である.血行動態,心筋Remodelingの点からは有用性は確立されたようである.耐久性に関しても期待されている.

キーワード
狭小弁輪, 人口弁, 生体弁, ステントレス弁, Remodeling

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