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日外会誌. 102(2): 210-214, 2001


特集

肝膵同時切除術(HPD)をめぐって

4.胆囊癌に対するHPDの適応と手術成績

1) 東京女子医科大学 消化器外科
2) 都立荏原病院 外科

太田 岳洋1) , 吉川 達也2) , 高崎 健1)

I.内容要旨
胆嚢癌に対する肝膵同時切除(HPD)は当初は高度に進展した胆嚢癌に対する局所切除として行われた.しかし,拡大肝葉切除に膵頭十二指腸切除を併施する術式は手術侵襲が大きく,手術死亡率も高率であり,また非治癒切除に終わり早期の再発死亡する症例も多く,その成績は満足できるものではなかった.しかし,術式の安定や周術期管理の進歩に伴って局所切除としてではなく,膵頭周囲リンパ節郭清,あるいは潜在性肝転移対策としてHPDが施行されるようになり,治癒切除を得られた胆嚢癌の手術成績は向上しつつある.現在,教室では自験例の検討から,広範な肝十二指腸間膜浸潤(binf)や遠隔転移を認めず,治癒切除が可能なリンパ節転移を有する進行胆嚢癌こそHPDの最もよい適応と考えている.

キーワード
進行胆囊癌, 肝膵同時切除(HPD)の適応, 肝膵同時切除(HPD)の手術成績

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