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日外会誌. 102(2): 199-202, 2001


特集

肝膵同時切除術(HPD)をめぐって

2.全国集計からみたHPD-適応と問題点-

1) 金沢大学 医学部保健学科
2) 金沢大学 医学部第2外科

永川 宅和1) , 萓原 正都2)

I.内容要旨
肝切除を伴う膵頭十二指腸切除術(HPD)は,術後合併症の問題から手控えられる傾向にあったが,肝切除術式,膵管空腸吻合法の改良ならびに術前,術中,術後の管理能力の向上とともに,最近本法を施行する施設が増えてきた.全国で登録されたHPDは465例でその内容は胆嚢癌355例,胆管癌110例であった.直接死亡は43例(9.2%)で,5年以上生存率は32例(18.1%)にみた.その適応と問題点を述べると,ss胆嚢癌のHPDの症例の5年以上生存率が36%を示し, seやsiでも10%強の5年生存を示したが,胆管癌では,se, siになるとその5年生存は10%以下となった.リンパ節転移のうち,Nol6転移例に対する5年以上生存は3例と稀であった.また,胆嚢癌や胆管癌のbinf症例の5年以上生存はhinfに比べごく稀で,その治癒切除術式としては,ewoを目指した肝十二指腸間膜全切除を伴う拡大手術が必要であり,今後大いに検討すべき課題であると考えられた.

キーワード
HPD, 全国胆道癌集計, 胆囊癌, 胆管癌, 手術適応

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