[書誌情報] [全文PDF] (3218KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 101(12): 877-881, 2000


特集

臓器別にみた外科手術の変遷・歴史

11. 胆嚢・総胆管結石に対する外科手術の歴史的変遷
-切開排膿/結石摘出/ドレナージの時代から内視鏡下外科手術の時代ヘ-

1) 帝京大学医学部附属溝口病院 外科
2) 京浜総合病院 外科

山川 達郎1) , 福田 直人2)

I.内容要旨
1687年,Stalpert von der Wielは上腹部膿瘍を切開したところ胆石が発見され,結石を摘出した後にドレナージをしたという報告をしているが,その当時から胆石症の診断と治療は外科医の大きな関心事であったことが伺える.それが後に胆道外科の祖ともいわれるJean-Louis Petitによる胆石摘出術と胆汁ドレナージ術に発展して胆嚢瘻造設術の基礎となったわけである.しかし,近代外科の幕開けは,何と言っても1882年 Langenbuchによる胆嚢摘出術の成功に負うところが大きい.その後,数多くの術式,すなわち胆嚢瘻造設術,胆嚢摘出術,総胆管切開術,胆道付加手術,乳頭形成術その他,内視鏡的アプローチ法などが開発されて外科学は大いに進歩したが,外科侵襲学の進歩などに伴い,最近は非侵襲的手術に興味が集中している.21世紀は,telesurgeryやrobotic surgeryなど,超モダーンな技術を用いて,最高の医療をすべての患者さんに時と距離を超越して適応できるような時代になるものと考えている.

キーワード
胆嚢結石, 胆嚢瘻造設術, 胆嚢摘出術, 総胆管結石, 総胆管切開術, 胆道付加手術, 内視鏡下外科手術, 歴史


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。