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日外会誌. 101(11): 782-786, 2000


特集

救急医療における中毒医療の現況

6. 急性中毒の診断

筑波大学 臨床医学系救急部

小山 完二

I.内容要旨
なんらかの患者が発生した場合には,はじめに中毒と他の疾患とを鑑別することが必要になる.類似症状を呈する複数の患者が同時に発生した場合には,食中毒,感染症,環境障害,集団ヒステリーのほか中毒の可能性を考慮する.
中毒の治療を迅速に行なう上で,患者の臨床所見からの診断はきわめて重要である.
診断的な意義の大きい身体所見として口臭,吐物の性状,皮膚の色調,体温異常,自律神経所見,痙攣が挙げられる.検査所見としては心電図の異常,代謝性アシドーシス,白血球減少症,血清コリンエステラーゼの低下,肝酵素の高値,BUNやクレアチニンの高値,胸腹部レントゲンの陰影などが挙げられる.パラコートや青酸化合物の定性反応,ベンゾジアゼピン系薬物やオピオイド化合物の競合的拮抗薬を用いた診断的治療も臨床的な診断を行なう上で有用である.最後に分析結果と臨床診断を併せ,総合的に最終診断を下す必要がある.

キーワード
発生状況, 身体所見, 検査所見, 分析結果

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