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日外会誌. 101(10): 722-728, 2000


特集

Day Surgery

7.成人鼠径ヘルニアに対する Day Surgery

大阪市立大学 医学部第1外科

西口 幸雄 , 平川 弘聖

I.内容要旨
成人鼠径ヘルニアに対するメッシュプラグ法は容易で,術後のQOLも良好であり日帰り手術を可能にしたが,いくつかの問題点も挙げられている.我々はこれまで成人鼠径ヘルニア110例に対して,same day surgeryを経験したが,その成績と問題点を報告する.
対象は17~87歳の術後再発12例を含む成人鼠径ヘルニア症例110例に対して,全例,same day surgeryで臨んだ.方法を概説すると,局所麻酔後,ヘルニア門の露出とヘルニア嚢の遊離後,メッシュプラグを挿入し,プラグを2~3針固定し,腹壁を閉鎖し手術を終了する.術後は約1時間程度の観察の後帰宅し,その後,2~3回通院にて終診とする.その結果,局所麻酔下で全例手術が完遂され,術後合併症は創部皮下出血4例,陰嚢血腫1例を認めた.6例が入院したが,そのうち1例が創部皮下出血のためで,残りの5例は疼痛管理など患者の希望により入院となった.
外来でのメッシュプラグを用いた局所麻酔下鼠径ヘルニア手術は有用な術式であるが,合併症発生時の連絡体制,後送ベッド対策など解決すべき問題点が少なからず存在すると思われた.

キーワード
鼠径ヘルニア, メッシュプラグ法, 日帰り手術

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