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日外会誌. 101(9): 607-611, 2000


特集

新しい免疫の啓蟄-外科学とのかかわり-

6.癌の抗体治療

札幌医科大学 第1内科

佐々木 茂 , 小関 至 , 武川 睦寛 , 辻崎 正幸 , 今井 浩三

I.内容要旨
モノクローナル抗体作製の技術が導入されて以来,多くのモノクローナル抗体の臨床応用が試みられてきたが,その結果は十分な満足が得られるものではなかった.この結果から,種々の問題点が明らかにされてきた.期待されていた程の抗腫瘍活性を示さず,この原因の一つとして,抗体のヒトに対する免疫原性が考えられた.最近,分子生物学の進歩により,これらの問題点は克服されつつある.ヒト化抗erbB-2モノクローナル抗体もその一つで,転移性乳癌の臨床試験で非常に良好な結果を示し,現在,臨床で用いられつつある.本稿ではこれらの結果に加え,私たちの教室が確立したアポトーシスを誘導することが判明した抗erbB-2マウス/ヒトキメラモノクローナル抗体CH401を用いた抗腫瘍効果の検討結果も含めて紹介したい.

キーワード
抗体治療, erbB-2, キメラ抗体, ヒト型抗体, アポトーシス


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