[書誌情報] [全文PDF] (2667KB) [会員限定・要二段階認証]

日外会誌. 101(6): 468-475, 2000


総説

大腸癌の遺伝子変異と臨床応用の可能性

岡山大学 医学部第1外科

松原 長秀 , 磯﨑 博司 , 田中 紀章

I.内容要旨
近年の分子腫瘍学の発達により大腸癌を中心に癌化のしくみが次第に明らかにされている.大腸発癌には遺伝的背景と,環境の発癌物質への暴露の両者が関与し,その結果遺伝子の異常が多段階的に蓄積されて発癌にいたると考えられている.しかし,一方ではmethylation等によるepigeneticな蛋白の発現異常がかなりの発癌に関与していることも予想され,遺伝子変異による発癌機構の最も明らかになった大腸癌とはいえ,解明されるべき問題も多い.しかし,これまでの研究で遺伝子解析が臨床において有用と思われる知見も出てきている.ことに我々はmicrosatellite instability不安定型の大腸癌について研究してきたので臨床応用可能な知見も含め,問題点と共に概説する.

キーワード
大腸癌, 遺伝子変異, マイクロサテライト


<< 前の論文へ

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。