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日外会誌. 101(4): 333-335, 2000


特集

食道アカラシアにおける治療最近の動向

3.食道内圧測定による診断と各種負荷試験

東京慈恵会医科大学 外科

青木 照明 , 羽生 信義 , 梁井 真一郎

I.内容要旨
食道内圧測定にはinfusion法とmicrotransducer法がある.infusion法で食道の蠕動運動の欠如とlower esophageal sphincter(LES)の弛緩欠如がみられれば,アカラシアと診断できる.microtransducer法はinfusion法に比べ,水の灌流を必要とせず体位の制限を受けず,食道内を空虚に保った状態での測定が可能であり,より生理的な食道内圧測定法である.摂食後の測定も可能であり,24時間にわたる長時間の連続測定が行える.この測定ではアカラシアでも同期性収縮波以外に食道の蠕動様収縮波やLESの弛緩が観察されることもある.さらにアカラシアでも夜間空腹期に,胃にinterdigestive migrating contraction(IMC)が出現し,これにともなってLESにもIMCが出現する.
負荷試験としてガストリンやメコリールを負荷してLESの過剰反応を観察する方法があるが,患者に苦痛を与えるためあまり用いられていない.著者らはCCK(セルレイン)負荷試験を行う.健常人ではセルレイン投与によりLES圧の低下がみられるが,アカラシアでは圧が変化しないか逆にLES圧の上昇がみられる(paradoxical response).

キーワード
食道内圧, LES圧, Infusion 法, Microtransducer 法, セルレイン負荷試験

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