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日外会誌. 101(4): 327-332, 2000
特集
食道アカラシアにおける治療最近の動向
2.食道アカラシアのX線・内視鏡診断
I.内容要旨1946年から1999年11月までに当科を受診した食道アカラシア症例486例を対象に,X線・内視鏡診断について検討した.病悩期間とX線による拡張型との関係ではSp型の半数以上は1~4年, F型の平均値は8.5年,S型は10年以上の長い経歴を有するものが多く,年月を経てより高度な病型へ進行すると考えられる.ブスコパンを投与する薬理X線検査の併用はアカラシア診断に有用である.内視鏡観察では正常な蠕動運動は進行するに従って減少し,細波や不規則な収縮輪などの異常運動はSp型で51%, F型で43%, S型で26%,憩室様陥凹は46%に認められた.S型では異常運動の出現頻度も減少していた.挿入時の抵抗は53%,通過時疾痛は32%に確認され,93例中胃内への挿入が不可能だったのは1例のみであった.扁平上皮癌の合併は21例(4.3%)で,病悩期間や経過観察期間が長いほど癌合併率が高く,術後経過を含めた全経過年数は平均27年であった.長期的かつ定期的なX線・内視鏡による経過観察が重要で,食道癌の早期発見にはヨード染色は不可欠である.
キーワード
食道アカラシア, X線診断, 内視鏡診断, 食道癌合併
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