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日外会誌. 101(3): 315-319, 2000


特集

未来のための今

IV 特別企画「Sentinel Node Navigation Surgery-がん低侵襲手術の新たなる展開-」
3.消化器癌に対するSentinel Node Navigation Surgeryは実現可能か

1) 慶應義塾大学 医学部外科
2) 慶應義塾大学 医学部放射線科
3) 慶應義塾大学 医学部病理学

北川 雄光1) , 藤井 博史2) , 向井 萬起男3) , 安藤 暢敏1) , 久保田 哲朗1) , 池田 正1) , 大上 正裕1) , 渡邊 昌彦1) , 大谷 吉秀1) , 小澤 壮治1) , 長谷川 博俊1) , 古川 俊治1) , 中原 理紀2) , 久保 敦司2) , 熊井 浩一郎1) , 北島 政樹1)

I.内容要旨
Sentinel node(SN)conceptは乳癌や悪性黒色腫においてその臨床的有用性が実証されてきたが消化器癌についてはこれまでその妥当性の検証そのものが行なわれていなかった.消化管リンパ流の多様性や消化器癌における跳躍転移の頻度からその臨床応用はむしろ疑問視されてきたといってよい.教室では術前内視鏡下に消化器癌病変直下の粘膜下層にradio-isotope注入し,術中ガンマプローブを用いてSNを同定する手法を開発しSNを指標とした転移診断の成績を検討してきた.初期成績としては良好な結果を得ており,さらに内視鏡下手術に本法を導入した新しい消化器癌の低侵襲手術の開発に取り組んでいる.これまで画一的に標準化されてきた消化器癌のリンパ節郭清術を合理的に個別化する手法としてSentinel node navigation surgeryの臨床応用は可能であると考えている.

キーワード
Sentinel node navigation surgery, 消化器癌, リンパ節微小転移, 低侵襲手術, リンパ節郭清

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