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書誌情報]
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日外会誌. 101(3): 288-292, 2000
特集
未来のための今
ll 特別企画「ライブ・デモ-Robotic Surgeryと遠隔手術指導」
2.マルチメディア(ビジュアルコラボレーション)がもたらす豊かな生活
I.内容要旨テレビ会議システムは,既に現実のものとなっている究極のマルチメディアである.この究極のマルチメディアである動画像をテレビのような滑らかな映像で双方向のやり取りをするには,従来からあるアナログの電話回線なら3,700本(約100~200Mbpsの帯域)も必要である.しかし,アナログ電話の2倍以上の情報128Kbpsを伝送できるデジタルの電話回線“N-ISDN”と,伝送情報を瞬間的に最大千分の一に圧縮できるピクチャーテルの動画像圧縮技術を使うことで実現できる.つまり,実用レベルの動画と音声情報をISDN 1本でもやり取りできるのである.さらに,複数束ね伝送帯域幅を広げることで,テレビ並の動画を見ることができる.加えて音声処理技術には,ノイズを自動的にカットする技術等も含まれる.
これらにより遠隔手術においても,医療機器などの機械音をカットし,顔色や血流,鼓動の微妙な変化をリアルタイムに確認できる.手術の他にも医師と患者,医師同士の遠隔コミュニケーションにより,病院間を移動せずとも専門医の判断に基づいたタイムリーな診療を受けられる.そして,この中で今最も注目されているのは,内視鏡外科手術である.この場合,内視鏡やその先端に付いているCCDカメラによりモニターに写し出された映像情報を見ながら手術を行う.従って,医師は必ずしも手術室にいる必要がなく,ISDNが敷設されていれば世界中のどこでも最先端の医療を受けることができる.遠隔ロボット手術の実験も開始されている.
マルチメディア社会が実現すれば,より地域密着型のライフスタイルが誕生し,20世紀の大量物資経済のつけをほとんど返すことができる.医療においても自分の住んでいる近くの医者から最善の治療を受けることができるようになり,今ある諸問題が解決されるであろう.衣食住の全てが本質を求めて変化し,そして人は本当の幸せを得ることができるのである.
キーワード
究極の医療マルチメディア, 遠隔医療, 遠隔手術, 内視鏡外科手術, 遠隔ロボット手術
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