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日外会誌. 100(12): 806-814, 1999


症例報告

国内初の両側生体部分肺移植成功例

岡山大学 医学部第2外科

清水 信義 , 伊達 洋至 , 山下 素弘 , 青江 基 , 永廣 格 , 吉川 武志 , 安藤 陽夫

I.内容要旨
肺移植は欧米では末期呼吸不全に対する一般的な治療のひとつとされ,1983年のJD Cooper1)の成功以来すでに8千例以上が実施されているが,我が国では今日まで肺移植の成功例はなかった.我々は国内初の両側生体部分肺移植を実施したのでその詳細を報告する.患者は24歳の女性で,primary ciliary dyskinesiaによる気管支拡張症に重症の肺感染症を合併して呼吸不全となり移植以外に有効な治療法がなく,1998年10月28日母親の左肺下葉を患者の左胸腔に,妹の右下葉を患者の右胸腔に移植する両側生体部分肺移植を実施した.術後経過は順調で移植後2カ月目に退院した.

キーワード
生体部分肺移植, 肺移植, 気管支拡張症, 重症呼吸不全


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