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書誌情報]
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日外会誌. 100(12): 791-795, 1999
特集
大腸早期癌に対するminimally invasive surgeryの基礎と臨床
6. MITAS
I.内容要旨低侵襲経肛門的局所切除術(minimally invasive transanal surgery:MITAS)は,経肛門的な局所切除術式の一つである.MITASでは,これまで困難であった高位の腫瘍への到達と直腸の術野の展開をより容易に良好にするために,新しい開肛器を用い,視野の固定のためにオクトパスを使用する.さらに,高位の腫瘍の切除をより容易に確実にするために,shortening technique, invagination techniqueなどの手術操作の工夫を行う.腫瘍の牽引では,大きな針糸を用いて筋層以深まで糸を通し,切除側の直腸を牽引して切除を行う.直腸の切除,縫合には自動縫合器を用い,直腸を切開することなく縫合しているため,周囲組織の炎症反応が少なく,合併症の軽減や手術時間の短縮,出血量の減少などでも利点がある.経口摂取も早期に可能で,退院までの日数も従来より短縮でき,合併症も少ないminimally invasiveな術式である.
キーワード
経肛門的局所切除術, 低侵襲経肛門的局所切除術(MITAS), 直腸早期癌, 肛門機能温存手術, minimally invasive surgery
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