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書誌情報]
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日外会誌. 100(11): 744-748, 1999
特集
肺癌治療の最近の進歩
10. 肺癌に対する縮小手術の適応
I.内容要旨Spiral CT scanが肺癌検診に取り入れられるようになり,以前には経験したことがなかった微小癌が手術されるようになった.中でも末梢型微小肺癌が多く発見されるようになり,そのうち非浸潤腺癌は高分解能CT scan(high resolution CT scan:HRCT)で特徴的なスリガラス状陰影(ground-glass opacity:GGO)としてとらえられる.一方,病理学的には,1998年10月,新しいWHO分類で,腺癌の中で細気管支肺胞癌が間質浸潤のない非浸潤癌として分類された.
著者らはHRCT上のGGOがWHO新分類による細気管支肺胞癌(非浸潤癌)の領域とほぼ相関することを示し,その面積の半定量を行った結果,GGO面積が50%以上の症例はリンパ節転移が稀で,縮小手術の適応となりうることを示した.中でも,100%GGOで占められる腫瘍では腫瘍占拠部位を考慮し,術前触知不可能と考えられた場合,術直前に色素と造影剤によるCTガイド下マーキングを行った後, VATS Iobectomyあるいはwedge resectionを行う.リンパ節郭清は不要と考えている.また,100%GGOでなくても50%以上がGGOで,腫瘍径が15mm以下であれば,系統的リンパ節郭清は不要で,腫瘍占拠部位に応じた肺切除を行う.ただし,切除marginでの再発が危惧されるため,術中迅速切除margin洗浄細胞診でmargin陰性であることを必ず確認している. GGO面積が50%未満の症例でも腫瘍径15mm以下のものが縮小手術の適応と考えられるが,その場合系統的肺門縦隔リンパ節郭清あるいは入念なsamplingが可能な区域切除以上の術式を採用している.迅速組織診でリンパ節転移が証明されれば,肺門リンパ節郭清をさらに徹底するため,肺葉切除へ術式をコンバートする.その結果,積極的縮小手術において,T1N0M0,NSCLC肺葉切除症例と同等の成績が得られている.
キーワード
非小細胞肺癌, 縮小手術, 区域切除, wedge resection, VATS
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