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日外会誌. 100(11): 718-723, 1999


特集

肺癌治療の最近の進歩

5. PETによるN因子診断の現況

1) 九州大学 医学部第2外科
2) 九州大学 医学部放射線科

杉尾 賢二1) , 佐々木 雅之2) , 山崎 宏司1) , 加瀬 真一郎1) , 杉町 圭蔵1)

I.内容要旨
肺癌の診断において,臨床的進行度をいかに正確に診断するかが肺癌の治療方針の決定に重要である.特に縦隔リンパ節転移の診断は,手術適応を決定する上で極めて重要な因子となる.PETは,ポジトロン(陽電子)放出核種で標識された化合物を生体に投与し,生体の代謝情報を定量的な画像として描出する核医学診断法である.18FDG-PETは糖代謝を測定できるが,肺癌のリンパ節転移の診断は,感度76~100%,特異度81~99%で,大きさを診断基準とするCTに比較し勝っており,最も信頼性の高い検査法といえる.PETによる肺癌のより正確なリンパ節転移診断は適切な治療法の選択を可能にすると考えられる.また,治療による効果判定や全身の転移巣の検索にも有用性が示されている.今後,肺癌のN,M因子の診断にPETの役割が大きく期待される.

キーワード
PET, FDG-PET, CT, 肺癌, リンパ節転移

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