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日外会誌. 100(10): 652-655, 1999


特集

ショックを見直す

4.ショックの重症度評価

千葉大学 医学部救急医学

織田 成人 , 平澤 博之

I.内容要旨
ショックとは,臓器灌流低下に基づく,あるいは体内で産生されたmediatorに起因する重要臓器の機能不全であり,多臓器不全はその典型的な病態である.したがって,ショックの重症度を評価するには,臓器不全の重症度を的確に評価する必要がある.ショックに続発する臓器不全の本態は,重要臓器を形成する細胞の機能不全であり,その原因として臓器灌流異常に基づく組織酸素代謝の失調と,侵襲によって産生された各種のhumoral mediatorの関与が明らかにされている.我々は,ショックに続発する臓器不全の本態である細胞障害度を評価する方法として,動脈血中ケトン体比(AKBR),osmolality gap(OG),血中lactateの3つの細胞内内代謝の指標をスコアリングしたcellular injury score(CIS)を考案し,臨床応用してきた.CISはショックに続発するMOF患者個々の重症度をよく反映し,予後予測にも有用である、さらにCISの推移をみることで,MOF発症の予測にも利用できる.CISはショックの病態生理に即した重症度評価法であり,ショックに続発するMOF患者の重症度評価法として有用であると考えられる.

キーワード
重症度評価法, 多臓器不全(MOF), 細胞障害, cellular injury score(CIS)

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