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日外会誌. 100(10): 643-647, 1999


特集

ショックを見直す

2.ショックの新しい分類

帝京大学医学部附属市原病院 集中治療センター

福家 伸夫

I.内容要旨
ショックは末梢循環の不全状態を意味し,複数の病因,複数の病態よりなる症候群である.治療面でも根本治療である病因治療と,全身管理に相当する循環不全の補正の両者がともに必要である.循環は機能的に血液量,心機能,血管抵抗により決定されるので,その不全状態の治療には,機能面での評価が必須となる.Swan-Ganzカテーテルは先端に風船のついた肺動脈カテーテルで,熱希釈法により心拍出量を測定できるため,現在の循環不全の臨床には不可欠の存在である.循環の三つの基本要素は,これを用いることで数値化できるので,治療方針が明確になる.しかしそのためにはいくつかの前提条件が必要であるし,操作する医療者にも循環生理の知識が無いと,理解不能ないし誤解の原因ともなりかねない.モニター機器は患者にとっては直接治療効果があるわけではないので,とくに侵襲的モニターは過剰な適応を慎まねばならない.

キーワード
ショック, Swan-Ganzカテーテル, 病態, 病因

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