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日外会誌. 100(9): 522-528, 1999


特集

形成外科・最近のトピックス

2.創傷治癒におけるサイトカインの役割

福島県立医科大学 医学部皮膚科

小野 一郎

I.内容要旨
創傷治癒の研究において最近注目されているものの一つがサイトカイン・増殖因子の働きである.サイトカインは最近の研究から創傷治癒においてもepidermal growth factor(EGF), basic fibroblast growth factor(bFGF),platelet derived growth factor(PDGF),transforming growth factor(TGF)-α,TGF-βなどのサイトカインがその進行に深く関与していることが解明されてきている.特に近年,遺伝子工学の発達により種々のrecombinant humanサイトカインを大量に得ることが可能となり,その臨床応用が現実的となりその観点からも大きな注目を集めているというのが現状である.本稿では創傷治癒の場でサイトカイン分泌の詳細,その果たしている役割に関する研究成果を紹介するとともにその成果の臨床応用について言及する.また,同時にcollagen matrixとこれらのサイトカインの併用が特に難治性潰瘍の治療をはじめとした臨床応用において大きな期待を集めているので,この分野でわれわれが取り組んでいる研究の一端を述べるとともにその成果に基づいた新しい治療の今後の展望についても述べた.

キーワード
サイトカイン, 難治性潰瘍, 創傷治癒

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