日外会誌. 100(8): 478-481, 1999


特集

大動脈瘤に対するステント人工血管内挿術

3.術前・術中検査

1) 名古屋大学 医学部第1外科
2) 名古屋大学 医学部放射線科

錦見 尚道1) , 石口 恒男2) , 松下 昌裕1) , 櫻井 恒久1) , 二村 雄次1)

I.内容要旨
TPEG(Transluminally placed endovascular graft)内挿術の適応の決定にはCT,MRA,動脈造影,CTのデータを用いたコンピュータ画像処理,などの画像データの限界を知り,相補的に検査を組み合わせて検討する必要がある.一般に,CTやMRIの無侵襲的診断法で得られる情報から,内挿術の適応からの除外は可能である.しかし,最終的に内挿術の適応を決定するためには,今のところ動脈造影を施行する必要がある.
内挿術中には,口径の大きな透視装置,解像度の高いDSA装置が必要である.動脈内腔とTPEGとの関係をリアルタイムに表示できるIVUSは,確実な内挿術には不可欠と考えている.
動脈瘤壁の内側でTPEG外部のドップラー信号による血流情報が得られる細径のIVUSや,手術室内で造影CTを施行する事などで,TPEG内挿術の成績が向上することが期待される.

キーワード
Transluminally placed endovascular graft 内挿術, CT, MRA, IVUS, 動脈造影


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